学部長メッセージ

自らの生き方と、神学の学びを重ね合わせる。

神学部長 川中 仁

 

■ 神学部はキリスト教の教義をひたすら突き詰めていく学部と思われがちですが、実は、キリスト教の美術や文学などの文化的なものへの関心から入学する学生も少なくありません。また、現代社会の諸問題にキリスト教的視点からアプローチする学生もいます。国際政治から芸術まで、キリスト教が関わる分野は多岐にわたるため、キリスト教の知識を持つことは現代世界を理解する助けとなります
■ ただし、本学部での学びは、単に理論のみを追求するだけのものではありません。机上の学びとともに、人とのかかわりの中から得る学びも大切にしています。1学年40人という少人数の学部だからこそ築ける密な人間関係は、自身の内面を大きく成長させてくれることでしょう。学部での学びと生活、この二つを基礎にすえながら、学部の枠を越えた学びや課外活動にもチャレンジし、自身の可能性を広げてほしいと思います
■ 4年間の学びを通して絶えず考えてもらうのが「生きるとは何か」ということです。例えば、本学の教育精神である「他者のために」という価値観。その意味を学生自身が考え、咀嚼し、自分のものにしていく。そうすることで、自分の生き方とキリスト教の学びを結びつけます。神学部で学ぶこと、それはいかに生きるかを考えることでもあります


2020年3月 卒業生に向けた学部長メッセージ です

希望のうちに力強く

今年度の卒業生・修了生の皆さんが最終学年を過ごした2020年度は、全世界がコロナによって振り回され、機能停止状態に陥った一年でした。ただ、完全な収束にはまだまだ程遠いとはいえ、新規感染者数も穏やかに減少する中で、長らく待たれていたワクチンの接種も少しずつ始まり、ようやくコロナ収束への微かなな希望の光が見えてきました。これはひとえに、コロナという未知の敵を前にして、全世界の人々が力を結集し、全力で問題解決のために奮闘してきたことによるものです
今後の人生の歩みの中で、皆さんも、大なり小なり様々な困難に直面することでしょう。ですが、どのような困難な状況にあっても、決して希望を失うことなく、問題解決のために全力を尽くすことで、一つひとつの困難を力強く克服していってください
(『上智大学通信』第450号[2021/3/26発行]より引用)


9月8日(火)に新入生交流イベントが開催され、神学部の集会での学部長メッセージです

神学部 新入生の皆さんへ

皆さん、こんにちは。神学部長の川中です。今日は新入生歓迎プログラムに参加してくださってありがどうございます。4月の入学以降はじめて、皆さんとようやくこうして対面で会うことができて、神学部一同心から喜んでいます。 さて、この新入生歓迎プログラムは、新入生の皆さんたちに対する大学側のささやかな誠意をしめす機会として実現しましたが、大学から皆さんへの連絡がぎりぎりとなったために、残念ながら、2020年度入学の神学部生の多くの人たちが参加することができませんでした。コロナの感染症拡大以降、大学は懸命に知恵を絞り、全力を尽くしてきましたが、この新入生歓迎プログラムを含めて、コロナ以後の大学側の対応にはいろいろ問題があって、決してベストのものではありませんでした。そのことは皆さんに対して大変申し訳なく思っています。 ただ、今日皆さんにどうしてもお伝えしておきたいことは、たとえコロナがあっても、大学側の対応がどんなにまずくても、結局のところ問われるのは自分だということです。どのような状況にあっても、そこでどう活路を見いだしてゆくのかということは自分の責任で、すべては自分にかかっています。 現在のところ感染者数は緩やかな減少傾向にあるとはいえ、コロナの収束まではまだ当分時間がかかりそうですが、何があっても決してあきらめずに、今皆さん一人ひとりがおかれている状況の中で、自分の可能性をしぶとく粘り強く追求していってください。そして、いつかまたもとに戻る日までじっくりと力を蓄えてください。 これがわたしからの皆さんへのメッセージです。ありがとうございました。
神学部長 川中 仁
2020年9月8日


新学年開始にあたっての、学部長からのメッセージです


神学部の皆さんへ
2020年度春学期の授業開始にあたって
■ いよいよ5月25日(月)に2020年度春学期の授業が開始されますが、神学部の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
■ さて、新型コロナウイルスの感染拡大によって、わたしたちの日常は大きく変わり、あたりまえだと思っていたことがあたりまえではなくなってしまいました。
■ 感染拡大は、わずかに終息の兆しがみえてきたものの、まだまだ予断を許さない状況です。わたしたちも、春学期いっぱいキャンパスには入構できず、学生生活全般は大きく制限されています。
■ 今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、間違いなく世界史に刻まれる出来事です。人類はこれまでも疫病による壊滅的な打撃を幾度となく経験してきました。ですが、人類は、そのつど力強く立ち上がり、新しい世界を築いてきました。
■ わたしたちも、今、事態の終息を待ちわびながら漫然と過ごすのではなく、わたしたち一人ひとりにあたえられたこの時を生かし、読書やワークアウトなど、今できること、今しかできないことに取り組み、コロナ後に備えてじっくりと力を蓄えましょう。
■ 2020年度春学期は、ポスト・コロナの新しい自分のためにじっくりと力を蓄える、そんな一学期にしましょう。

神学部長 川中 仁
2020年5月11日

COVID-19の世界的蔓延のため入学式の中止、新学年開始の延期など、大きな影響が及んでいます。
キリストの復活を祝う復活の主日にあたり、神学部学生の皆さんに向けて 学部長メッセージ を掲載致します。

【神学部生へ 神学部長メッセージ】
神学部の皆さんへ
■ ご復活おめでとうございます。
■ 今、人類は新型コロナウイルスによって未曾有の事態に直面しています。大学も依然として再開の見込みは立っていません。
■ この危機を克服するために世界中の人びとが全力を尽くしています。皆さん一人ひとりも、外出を控えて家にいることで少しでも協力しましょう。そして、できないことを嘆くのではなく、できることは何かを一緒に考えましょう。
■ 十字架上で無惨な死を遂げたキリストは復活しました。キリストは復活し、死が死で終わらないこと、絶望が絶望で終わらないことがしめされました。キリストの死と復活の出来事によって、わたしたちは今や希望のないところに希望を抱くことができます。
■  今日の復活の主日の福音に登場する二人の弟子は、イエスの墓が空であるということの意味を理解することができませんでした。ですが、二人の弟子は空の墓を「見て、信じた」とあります。
■ わたしたちも、死からいのちへと移られたキリストの復活を信じ、希望のうちにこの危機を忍耐強く乗り越えてゆきましょう。

神学部長 川中 仁


中止となった卒業式にあたっての学部長メッセージです

【卒業生へ 神学部長メッセージ】
■ 2020年神学部卒業生の皆さんへ 2020年神学部卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
■ 今年度はいつものように学科別集会で皆さんに直接お話することができないので、学部のホームページで皆さんにメッセージを送ることにしました。
■ 新型コロナウイルスの影響で、皆さんがずっと楽しみにし、一生懸命準備してきた卒業式関連の行事がすべて中止となってしまいました。 学部としては卒業式関連行事の実施のために最後まで力を尽くしましたが、大学全体のレベルで判断し、決定したことには、やはり大学の一員として従わなければなりません。 新型コロナウイルスに対する全世界的な戦いの中ではやむをえない対応であったとはいえ、皆さんが一生に一度のかけがえのない人生の大事な節目をこのようなかたちで迎えることになってしまったこと、またわたしたちがこのようなかたちで皆さんを送り出すことになってしまったことがとても残念です。
■ ですが、皆さんにどうしてもお伝えしておきたいことがあります。 それはコロナには絶対に負けないでということです。 たとえ卒業式関連行事がこのように残念な結果になってしまったとしても、皆さんが上智在学中に得たものは決して消えることも失われることもありません。 コロナによって失われたものだけに心をとめていると、コロナに屈し、コロナに負けたことになります。
■ 皆さんは、上智で、またこの学部で、神様からどれほど多くの恵みを受けたのかを改めて感謝のうちに思い起こしてください。 皆さんが在学中に受けたすべてのものを感謝のうちに思い起こしながら、そのすべてをプラスのエネルギーに転化し、人生の新たな一歩を力強く踏み出してください。このようにマイナスをプラスに変えること、ここに神様の偉大さがあり、人間の偉大さがあります。
■ 皆さん一人ひとりのこれからの人生の歩みが神様の祝福に満ちたものであることを神学部一同心からお祈りしています。

神学部長 川中 仁

 


神学部神学科教授。専門は基礎神学。現代世界においてキリスト教信仰をいかに弁明するのかを研究。また、イグナチオ・デ・ロヨラの霊操を中心として、イエズス会の霊性の学問的研究に取り組んでいる